国税庁が2025年12月16日、令和6事務年度(令和6年7月〜令和7年6月)の「相続税の調査等の状況」を公表しました。
数字からも、相続税のチェックが強まっていることが読み取れます。実地調査は9,512件、追徴税額は824億円。文書・電話等による「簡易な接触」も21,969件、追徴税額は138億円と示されています。さらに無申告事案の追徴税額は142億円で、公表開始以降で最高とされています。
この資料を見て、改めて強く感じたのは――
相続税の無申告は、単に「悪いことをした人」だけの話ではない、ということです。
実務上、無申告には大きく2つのパターンがあります。
無申告の2種類
①「そもそも相続税申告が必要だと思わなかった」
たとえば、次のようなケースです。
- 相続が起きたが、何をすればいいかわからず時間が過ぎてしまった
- 自分で概算してみたものの、前提が間違っていて「基礎控除以下」と勘違いしてしまった
(財産の拾い漏れ、名義預金、評価の考え方などがズレると起こりやすいです)
この場合の対処法は、
ご家族が亡くなったら、まず相続専門の税理士に相談してください。
相続は、期限がある一方で手続が多く、精神的にも時間的にも余裕がない中で判断を迫られます。
「申告が必要かどうか」だけでも専門家に早めに確認できれば、申告不要なら安心できますし、申告が必要なら期限内に正しく進められます。
②「黙っていればバレないだろう」と判断した(またはそう言われた)
こちらは、はっきり言うと現代の仕組みでは通用しにくい考え方です。
不動産、金融資産、所得情報など、相続に関係する情報は様々な形で記録・整理されます。相続が起きた時点で、税務当局側で把握できる情報の断片が積み上がっており、結果として「申告がないこと」自体が不自然になっていきます。
そして何より問題なのは、後で発覚すると税金そのものに加えて、加算税・延滞税等の負担が上乗せされ、“黙っていれば…”が結果的に損になることです。
この場合の対処は、
- 生前:疑われない形に整え、説明できる状態にしておく(お金の置き方、名義、記録の整備)
- 相続発生後:できるだけ早く相続専門税理士へ相談する(早いほど選択肢が増えます)
いちばん損をするのは「先送り」
無申告には、本人なりの理由があります。
ただ、どちらの理由でも共通して言えるのは――判断を先送りするほど損が大きくなりやすいということです。
「申告が必要かわからない」「自分の試算が合っているか不安」
その段階で構いません。まずは相続専門の税理士に相談してください。
当事務所は相続専門、オンライン対応可能です。
1時間無料オンライン相談も実施していますので、下記「お問い合わせフォーム」よりお気軽にご連絡ください。
出典:国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」(令和7年12月16日公表):https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_chosa/index.htm