2025年9月19日(金)に報道された「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏の遺言をめぐる裁判で、大阪高裁は一審に続き「全財産を市に寄付する」とする遺言を有効と判断しました。
これにより、親族らが遺言無効を主張して争った訴訟は退けられることになりました。
参考:読売テレビ『紀州のドン・ファン遺言訴訟 二審も有効』Yahoo!ニュース」
このニュースは、遺言書の本質的な難しさを映し出しています。
遺言書は形式さえ整えば比較的簡単に作成できます。
しかし、「なぜ?」その内容にしたのか――その背景や想いは遺言書そのものには記されません。
書き残した本人にとっては「自分の中で理由が明確だから問題ない」と思えるかもしれません。
けれども、遺された側からすると「なぜ全財産を寄付したのか?」「なぜ私たちには残さなかったのか?」という疑問が残り、時には今回のように訴訟にまで発展してしまうのです。
WHYサイクルで「想い」を残すという選択
相続において大切なのは、財産そのものだけでなく、「なぜその財産をその人に託したいのか」という想いをきちんと伝えることです。
当事務所では「WHYサイクル」という考え方を提案しています。
それは、遺言や相続設計の場面で 「なぜ?」を言語化し、記録として残すこと。
単なる分け方の指示ではなく、そこに込めた理由や想いを可視化することで、残されたご家族にとって納得感のある相続となり、不要な争いを未然に防ぐことができます。
相続を「争族」にしないために
財産を遺すことは、未来のご家族に対する最後のメッセージでもあります。
もしも「なぜ?」を伝えずに遺言だけを残してしまったら、遺された方々はその意味を探し続けることになるかもしれません。
だからこそ、相続を考えるときには 「なぜそのようにしたいのか?」を整理し、言葉や記録として残すことが大切です。
それが、ご家族にとっての安心につながり、結果として円満な相続を実現する第一歩となるのです。
当事務所では、遺言や相続のご相談に加え、「WHYサイクル」を活用した“想いを伝える相続”のサポートを行っています。
ぜひお気軽にご相談ください。