
子どもから相続の話を切り出すのは難しい——
「死を望んでいると思われる」「財産目当てに見られる」「親のプライドを傷つけるかも」。その不安、よく分かります。 だから入口は配分ではなく“感謝と理由(なぜ)”に置きます。 私自身も、人生の節目ごとに「育ててもらった実感」とともに、親の“なぜ”を知りたいと思うようになりました。 これが「なぜと向き合う相続」の核です。
切り出しは、この3つの言い方。
① 最初の一言(目的+敬意)
「お金の話じゃなくて、なぜそう思うのかを聞かせてほしい。
これまでのことへの感謝もあって、その背景を知っておきたいんだ。」
② 聞くときの質問(3つだけ)
- これまで大切にしてきた価値観は?
- 今いちばん気がかり/守りたいことは?
- これからどう生きたい、何を託したい?
③ 締めの一言(要約+許可)
「まとめると、『私は〇〇という“なぜ”から、△△を□□に託したい』で合ってる?
将来私が迷わないよう一行メモにしておくね。嫌なら書かないから言って。」
NG→OK(争点化させない)
NG「兄より多いの?」 → OK「その考えのなぜを教えて?」
NG「遺言作って」 → OK「付言事項みたいな“理由のメモ”を下書きさせて?」
“理由”が言葉になるほど、将来の迷いは減ります。決めるのは親、子は聴き役。
この姿勢が、納得の相続につながります。
この投稿は、お盆の帰省を前に、家族と想いを見つめ直すきっかけとして毎日お届けしています。 明日も「なぜと向き合う相続」のヒントをお伝えします。